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もう一方の大国中国の、4億人の中流層とその受け皿。 [政治]

アメリカが、歴史的な民主政体の本尊であることを書きましたが、トランプ応援者から殊更に嫌われ悪の帝国化扱いされることもある中国に関しても、ちょっと考えて書いておきたいと思いました。

中国の知見は私薄く、アメリカ程渡航していないので、勉強していかないと行けないんですが、その前提で実感ベースと、人口圧力の観点で書いて行きたい。

人口圧力が経済成長の基本という通り、中国、インド実際に凄まじい伸びですが、インドはやはり身分制度が非常に厳しい。これだけ世界のIT企業のトップがインド人になっても、国では前近代的な状況が固定されています。

比較すると、中国は良くも悪くも一旦リセットされていて、その後鄧小平が能力のある人から稼いでいきなさい、と言うもう一段変化しての今があります。アメリカの5倍くらいの人口の中国は、共産主義という割に、リセットからの経済活動の結果において、ものすごい格差が生まれた。でも、身分制度で社会階層移動がないインドと異なってダイナミックに入れ替わる。

とにかく、膨大な中流層人口が生まれている。4億人と言われます。
最近上級国民があぶり出され(笑)同調圧力が強烈な日本などより、むしろダイナミックではないか。

 中国の実相に触れていない人には分かりにくい話かもしれませんが、40代以下は、失われる前の時代を知らない今の日本の同世代より、むしろずっと萎縮していないし、清新かつ成熟している様に見え、皆多かれ少なかれ人生を楽しんでいる様に見える。

いい仕事を見つけ、やりがいも感じて、稼いで、美味しいもの、流行りの店で食べて、お洒落して青春があって、市民的なリベラルさ、明るさ、そして礼節も持ち、地味に伝統の息づく家庭的生活習慣などは日本以上に自然に残っていると感じる。
反日を煽られた江沢民時代と異なり、日常の自分たちの文化的アイデンティティも、落ち着いて探求している。

皆、自分の人生と自分が成すことに夢中で、そんな人は”国”やその上で隣国がどうとか思わないものです。常に周囲を気にする日本の様な小国でもなく、更にそうでしょう。その点でいうと、韓国だって気にしいではありますけど(笑)飲んで胸襟を開けば「まあ、反日の国って事になってるからさーハハー!どうだ美味いだろこれ!」てなもんですよ。

もとい、少し泥臭い大手町のビル街が、見渡す限り続いて行く様な北京の周辺を動き回って、多くの人と、人づてで飛び込み営業もして、まさに伸びゆくエネルギーに満ちた中過ごして、何日か経って日本に帰ってきた時に、少し前の時代のまま古いミニチュアジオラマに固定された様な日本の風景、矮小さ、活力の無さに、心底寂しい思いをしました。なんというか、ちょっとは綺麗ですけど、ちまちましたコンビニ弁当のトレーの様な印象。

また、大変に大きな中国企業とVC等を行った際、向こうにいる何十名のエンジニアが喧々諤々やりながら、こちらに質問してくるその熱、また非常に真剣で実直なwantsに、圧倒されつつ、戦後すぐの日本もこうだったのだろうと思いつつ、同胞を振り返るとやはり寂しい思いになりました。

欧米文化真似てちょこざいな事もやってみた的な日本の60年代、70年代の活力を持ち、80年代のバブルに向かう頃の明るさに満ちている、それを、今の時代の世界最先端の技術、ITツール、ビジネススキームを突き詰めながら行っている、そんな感じです。

隣に住んでたとしてもほとんど違和感がない、世界標準的なこうしたOrdinaly peopleが4億人、つまり人口の1/3に達しようという層がいて、「中共」一言で表す一枚岩であると考えること、圧政にビクビクしながら収容所的に生きていると考える事、また日本を占領するぞ、反日ー等と考える事。これは正しいだろうか?

恐らくは、フツフツと古の中共的な施策を打つたびに沸き起こる大きな不満のうねりを、ディストピア的監視システムで、ヒリヒリ感じ取っているのが今の中国共産党政府という事になるのではないでしょうか。

その政府筋も1枚岩でなく、いくつも別れている。この辺りは副島先生の著作を参照して欲しいのですが、そして随分前から著作で書かれている事ですが、別の民主的政党がいずれできるのではないかと。私も上の様な実感から見ても、いずれそういう人口の受け皿が必要になると思うのです。

アホみたいに言えば、共和国の共和党に加え民主党がある。共産国の共産党があって、ここまで素晴らしく民度が上がった資産をもつ中産階級には民主党的な受け皿が必要だと単純に思います。文革的なもの、天安門は最早できない、億人単位を収容するグアンタナモは作れない。

その時は、共産党は、コーポラティズムが必要な時に政権を担い、リバティ、フリーダムの国民の政治を整える時期には民主党、いやこの政党の位置は民主政体の弱者の党ではないから、冗談みたいですが、名前は自由民主党がいいかも。

中国に自由民主党を作ってよ。中国の皆さん!(笑

共産主義”国”って、反共の目の敵ですが、所謂どれもインタナショナルじゃない。
むしろ今のグローバリスト、DSがインタナショナルで、結局は各国がそれぞれの成り立ちに合わせ選択しちゃった共産主義をチューニングしている。北朝鮮も、キューバも。中国も毛沢東チューンされてますから、グローバルでなくローカルなもの。そこから日本的社会主義政策的に鄧小平チューンで大転換をして、今がある。

そして、前の全人代で、「習近平のイニシアチブが核心なのだー!」と李克強までが青筋立てて叫びまくり、これを独裁の印、毛沢東帰りと評された。

ひょっとすると、旧来の共産主義の枠組みから、習近平チューンの新しい主義にシフトしてもOKの権威づけではないか。逆にガバナンスを効かせ、かつ大転換を許される毛沢東並みの大きな存在とするためではないか。前段の産業政策をきっちりやって、国の基盤を完成させ、そこに至ると。。。違いますかね。まあ、個人の憶測です。

王制を廃止ししたのは共和制も共産国家も言ってみれば同じで、もっとも、日本がそれこそ”DS”のかませ犬として不幸にも中国のそれを介添してしまったわけです。
共産主義を悲しくも挟み、どうしようもなく悲惨な時期を経て、社会主義的政策を開始して国の基盤を作った。その次は、変形して大きな歪みを生んで来た民主制度の修正ではないでしょうか。

今、新大陸にて、欧州の歴史の頸木から逃れ共和制を作ったアメリカが、侵食され、一掃しようとしているのと逆のアプローチで、巨大な悲しい過去を少しづつ転換しながら、最後まで終えた時に、何事もなかったかの様にスパッと穏便な超大国にまとまって行くのかもしれません。

中国は日本を研究し尽くして、経済を発展させ、人々を豊かにした。
でも、羨ましくも日本と大きく違うところがあります。”覇権国に飼われた属国”ではない。ここは過去の歴史的にどうしようもない違いです。

しかし、世界を蹂躙し分断して管理する覇権国を目指すかと言えばそれはない様に思う。国に13億人いて、だだ広い国境沿いは、いつもきな臭くメンテナンスは大変です。無駄なストレッチはしない様に思います。

 現在、トランプ擁護の様々な優れた情報発信がほぼ反共筋の既存勢力ですが、「中共」を闇のラスボスに当て嵌める流れや荒唐無稽な短絡もあるので、そこはちょっと違うのでは、という事で書いてみました。

日本を称揚してくれる在日中国人、元中国人の発言者のメインキャストって、私も良く見るし実に正しい所がある。時代より先に進んだ結果、転じざるを得なかった人たちですから。ただ主には江沢民時代以前の方で、当時考えるとわかりつつも、今とても多く存在する、我々と生活意識を同じくする中間的な層がいることが、大きく違う様に思います。

過去、文革の嵐を過ぎてなお、一人っ子政策時代の頃も大変であったと思います。当時党から表彰された、産婆さんの深い後悔の記事を読んだことがある。今言われる”闇”と直結する部分でもある。

でもそこに決して戻ろうとはしないだろう、4億人の隣人となりうる中間層、この人口圧力がある今を念頭におくことは、これは大事ではないでしょうか。

この辺で。
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