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The Shock Doctrine 関連の転載1 [The Shock Doctrine]

2009年01月15日01:38
「続き)で、真打ち、なおみさん。The Shock Doctrine」
の転載です。

◇◇◇

その本ですが、なかなか普通に手に入らなかった。

仕事はじめに、いくべえと連れ立って不景気で人出の多い神田明神に行きました。詣でて帰りにコージーな立ち食い寿司屋で腹ごしらえして、飲み屋探していると、目の前に丸善。ここはお茶の水。

大学街の丸善かあ、と思いながら、どうにも探している物があるような気がしてしょうがない。飲みの合間に書店なんて、連れにはエラい無粋な話で申し訳無かったのですが、待ってもらって本屋に入る。

意外にコーナーは小さくて、ちゃんとした洋書は、ウチの書棚の半分くらいのスペースしか無いけど、どうにも「あるよあるよ。。。」と中の人が(笑)ささやいてしょうが無い。
でもよく見ると、普通良く有る、雨後のタケノコ状態のオバマとか映画原作本は少ない。

上から下に目を移す。うわわッ!あったよ!

The Shock Doctrine - Naomi Klein -

勘は正しい。

何度か日記でも書いてますが、この1年読みたくてしょうが無かった本。
amazonでも買おうと思ったら、品薄当込んだ高い古書か、輸入代行業者出品ばっかりで、最近も何度か大型でいい書店の洋書コーナーを見ても無くて、買いづらいかった。普通の価格だと主に丸善でしか扱いが無いようです。森田実さんなんかも注目して、訳が出ると一部言われつつも今だ出てない本。

内容的に邦訳出版は国情的に少々問題有る事は確かですが、一方で政治的思想や経済”学”が絡むと売れない事も確かですから、理由はそっちかなあ。

俺が版元だったら出さない手は無いと頑張るんですが。東洋経済さんどう??(笑
まあ、いずれ近いうちに邦訳出ると思います。洋書はUKでペンギンブックスに入ったので、それが手に入り易いでしょう。私の買ったのもそれ。

で通勤本として、今イントロダクションとPart1の終盤まで読んでます。

前回書いた、ニューディールに対して、それは戦争景気であって、政策はうまく行った訳では無いと噛み付いた人が、彼のミルトン・フリードマンです。シカゴ学派の代表。現代の経済学者は影響を受けていない人はいない。レーガン以降伸して、先物で世界中の現物を振り回している状況を作ったのもこの一派です。

株主至上のスーパー・レッセ・フェールでマネタリストの長。
国家の役割は警察と法に基づく執行等以外はすべて民営化し、市場の決定に委ねよ。福祉は切り捨て。小さな政府。
これ何百回も聞いてますよね。冒頭に書いた小泉「盟友」&関係がヒステリックに叫びまくっていた内容ですが、実はシカゴ学派の数十年遅れのまねっこなんです。判るでしょ。留学した連中が頭にコピーされて、何十年か経って新しい物の様に日本でそれを行う。

フリードマンは、「真の変革は、危機状況によってのみ可能となる」、つまり戦争や大きな事件、災害等があった際に、初めて大きな経済的なシステムの改革が進むと言っていました。
いま若い頃のフリードマンが、理想を試す実験のチャンスを掴む手前くらいの所まで読んでます。読み切ってないので文責甘めでお願いしたいですが、
経済暗いのでごめんちゃいですが、マルクス、ケインズに対して彼は資本主義のピュリタンみたいな感じなんです。有る意味レーニンぽいと言うか。

完全なるレッセ・フェールで個人の意志が邪魔無く完遂出来る市場が、論理的に完全にバランスするのだ!と散々研究するんですが、政府の干渉や影響力を全て取っ払いたくても、時は丁度恐慌の記憶がまだ生々しくて、レッセフェールは終焉を迎えたとケインズが言い、社会政策が旨く行っている時期。所謂第3世界も、日本も保護貿易で公共投資でガンガンに伸びて幸せになり始めている。
で、全然なにも出来ない。

さっきレーニンと書きましたが、あっちも革命です。まっさらにしてしまう。そう言った意味で、ケインズ大嫌いだけどマルクスは共感はあったらしい。

レーニンには国際金融が、莫大な資金サポートををして革命を起こし、ソ連を作った訳ですが、そんな時、フリードマンに近づいてくる連中がいる。
大企業、資本家です。理由は簡単。最適化してくんないかと言う訳です。社会制度的に、労組とか最低賃金とかあって、コストが高いと。とっぱらって旨く行くというアンタの説は素晴しいと。

背筋が寒くなりませんか。これがアラウンド50’sです。21世紀に日本何やってんでしょうか。アホですか(笑)てのは置いといて、当時、一息ついて、これから大統領選も向く相手が変わってくる訳です。きっとそこでフリードマンの国家に対する実験が可能になるきっかけが生まれるんでしょう。

ナオミさんに戻る。
ハリケーンの際に、公立校が一気にへって民間が増えまくって、教育バウチャータイプの民営学校にあれよあれよと作り替えられるのを見ちゃう訳なんですよ。
またアジアの津波被害の時には国が緩んで、宮内みたいに一気に外資が良い場所買い占めてリゾート作ってしまう。911後の立法、施策、イラク占領も無政府状態と恐怖が渦巻く中で一気に兵隊まで民営化してしまう。Shock and Aweで社会がリセットされ一気に変えられてしまう。

で、まだそこまで読んでないんですが、
独裁、拷問、暗殺で、Stingのプロテストソング等でもご存知の方が多いだろう、あの悪名高いチリのピノチェト政権の経済顧問が、誰有ろうミルトン・フリードマンだったんです。
人々を苦しめ危機にさらして頭真っ白に、社会もまっさらにしている権力と結んで、ついに望みだった国家単位のスーパーレッセフェールの実験場にしていた事を見つけてしまう(って流れだと思う)んですよ。

つまり、Shockで経済は大きく変わるなあって話ではなくて、Shockを利用して、時には「お手盛り」Shockで変えて来たって事なんです。津波までお手盛りで起こしたかなんてのは言及しませんが、カトリーナの時を思い出すと、当時、何やってんだアメリカは!?と世界中が不思議がり、非難した事が鮮明に浮かんできます。救済せずにほっとかれましたよね。
ナオミは、放置して意識的に老朽化した社会インフラ潰しちゃって、無政府状態にしたと取れる証拠を挙げている。これから読む所でもっと詳細に書いてるんでしょう。

そういった事ごとの後に福祉や社会インフラを全部民営化するような社会に一気に変わっていく。民営化されちゃえば、結果としてグローバリズムは当然進む。

どうですか?

そういう文脈でこの10年の盟友さんたちを、いや10年と言わず終戦直後から日本を遡ってみたら何が見えるか?

いやーまた長くなってしまった...。後一回だけでなんとか終えたい。書き散らしてしまってもしちゃんと読んでる方いたらすみません。。。

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