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The Shock Doctrine 関連の転載2 [The Shock Doctrine]

2009年01月16日01:28
「続き)ようやく最後。ナオミさんの深さ。」
の転載です。

◇◇◇

今までの流れでも十分凄い本なのですが、
もう一つ私的には、予想をもの凄く良い意味で裏切った事がありました。

この本はシカゴ経済ピュリタンギャング共の話から入っている訳ではなく、冒頭、カナダの大学で、投薬と電気ショックの実験を繰り返し行われて、人格が消されてしまったけども、なんとか生き延びている人へのインタビューから始まるんです。

カナダは国外なので、これは都合が良いとCIAが実験に目をつける。その教授はファンドを受けて研究は進み、洗脳の方法はマニュアル化されるんです。
これが現在でも良く人権の問題で語られる、アグレイブやグアンタナモその他アングロアメリカの軍事影響化にある様々な収容所で使われるワールドスタンダード。
フリードマンが顧問をしていたチリのも含め、所謂アメリカが抑えていた第3世界諸国で広く使われた。
社会に向けたマルクスの革命、フリードマンのShockを個人に向けた様に、一端人格を更地にしてしまう。その後に、完全に元に戻る事はない。CIAはもとよりその気もない訳ですが、それを彼女は冒頭に書いた。

電気ショックの後に、長い旅をへて漸く統合されたノンフィクションのZen and the art of...や、それ系の原著を読んだ自分には便宜的に入り易かったと言う事もあるけども、ちょうど1年くらい前、パーシグとカスタネダをモチーフに、社会学に至る学問系譜、社会工学の話を書きました。

日本と言う国も、戦後のショックで、中谷巌のずっと前にフルブライトでアメリカに行って、変人扱いされる一生を送っている小室直樹がこれはアノミーだと鋭く見抜いていた様に、ショック後の更地からルースの理論をベースに社会工学を受けた。
同じくフルブライトで、ユングという固定した軸を持った河合隼雄という巨人が、母性社会に父性社会ルール、つまりLoveとRatioがぶつかっている事で問題が起こっている事を見抜いていた訳ですが、マインドコントロールと大衆のコントロール、社会工学は「同じ物」で、しかも組み合わせて使われると言う事を書いたのですが、覚えている人も、まあいないか(笑
人や社会をサイエンスしてポジティブに入力する事は、壊すのと同じだと書いたのですが、彼女はそれを、きっと判っていて、一見フリードマンと繋がりがが無さそうな、そういうミクロな部分から書き始めた。

これから、英語に悩む中年通勤ダサ親爺(笑)風に電車でちょろちょろ読み進んで行きますが、本当にナオミさんの視点は本当に自分と共通する物がある。ある種の人が必ずぶち当る根本問題なのかもしれません。

もし自分が物書きだったら、ライフワークとして日本の状況に即して自分がヘタなりにこういう本を書くかもしれない。と言うより、恐らく今までの日記の小難しい物と、ここに載せていない、もっと多くの書いた物がありますが、纏め直すと、出来は悪くてもきっと似た様な感じになるでしょう。

今回の一連の日記の冒頭に戻ると、
中谷さんはこれを読んで恐ろしくなったのではないか。これが世界のNo.1ベストセラーになってしまった。早晩つるし上げを食った挙げ句何も言えんと。

同じく邦訳が出たら、小泉政権時代のメインプレーヤー、特に竹◯はもっとそうなる。あんなこんなで、圧力受けて、あれがギリギリだったのだと開き直るが精一杯。
なんの仕事で誰から貰った金か、大臣ヤメたあとマンハッタンに高級マンション1”棟”買ったニュースがありました。クレディスイスに口座もあると聞きます。ニューヨークに住む事になるでしょうか。

一方、当時日本にコピーすべく小泉政権が躍起になっている当時、その竹中をややもするとディベートで叩き潰しかねないケインズ的な反論の急先鋒が居た。
誰でしょう?お分かりの方もいると思いますが、それが誰有ろう、この2年くらい、日記でしつこく触れた(笑)植草さんだったんですよ。

だから、あの一連の事は、国内の仕掛けだけでは無いのかもしれません。そう考えると、邦訳は遅れてしまうのかな。
海外では、とうにナオミさんの著書を織り込んで、良きも悪きも動き始めているはずで、日本では殆ど読まれても居らず、今だ、構造改革わあーやっぱり必要でえーとかやってる。寂しいなあ!我が国の中の人。

兎に角、マネーが呼ぶDisasterの最中、経済の頂点のマネタリストを一撃した。凄い本。攻めるべきは敵の急所ですね。

自分が書きたかったと思える様な本と出会うのは初めての事で、ある種必然みたいなもんですが、そんな本と出会ってみれば、その本が世界じゃベストセラーだという。
きっとこの本読む人は、今回長々書いた様な事は想像がついてる人ばかりに違いない。世の中、捨てたもんじゃないなと思いました。ああなんと長く書いてしまった事であるよ(笑

これにて年初の項はおしまいです。

(転載です)
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