SSブログ

TPP、そして自由などについての雑感。 [政治]

 前回文中に日米構造協議、年次改革要望書で続いたソーシャルエンジニアリングを経て、日本改造の流れの成果を永久化するTPPと書きました。

◆まず「日米構造協議」
人の家のしきたりにいちゃもんをつけ、抵抗者を叩き、言う事を聞かせるフェーズ。
冷戦の日本温存構造の隙間で、「官僚の夏、日本の夏」的ノスタルジックなエトスを持った官僚や国士政治家がまだ生きていて、国策の産業育成を進めていた。彼らが軒並みぐちゃっと潰された。

「おめえら勘違いしてねえか?そろそろ締めるぞ」と筋物が家の戸ぶち破って入って来た。居候してたヒーロー気取りの親戚の兄ちゃんがウオオと立ち上がってみたけどバコッと一発でボコられたと。

で具体的に締め上げてゆく。


◆「年次改革要望書」
隷属した連中に毎年、社会改造の具体的要望を出し、達成を締め上げ、改造を続けるフェーズ。

この頃、永遠の政権党だった自民党は、経済浮揚政策を取って亡くなった小渕さん最後に終了。隷属を飲んだ連中のみが残る。
一方、関岡さんによって有名になったこの要望書が、アメリカ官僚の命令として、無力化した政治家すっ飛ばして留学洗脳したポチ官僚に直接届くようになる。

オセロをめくる様に日本の官僚が「アメリカの日本支局ワーカー」となった。税金で食わしてる連中が、敵になった。
メディアも基本官製だし、会計事務所的に広告代理店が皆外資となって、国民の敵の広報部門として日々スピンや洗脳に邁進した。

「お前言う通りに変えるんやで、言う事聞かん奴はお前等で消せや。必ずいついつまでにやるのやで。そうすればええ目見させたるわ」と言われ、例の居候の親戚の兄ちゃんは保身の為に裏切った。

家の主人に薬と言って毒を盛ったり、階段から突き飛ばしたり。娘を言う事聞かないと売るぞと脅し、手篭めにした挙げ句に金目の物を探させて、自分もセコく少し取ってアメリカに差し出す。主人が盗難届けを出せば、息子を警察に突き出す。なんて感じか。我が国のメディア、民僚、官僚のことですよ。

これでおとなしい家の人間も怒り爆発する訳です。


◇いい加減にしろ!の政権交代という平和的革命と、揺り戻し、そしてショック。

上の2ステップで国民は遂にぶち切れた。そして日本は公務員改革を掲げる小沢民主党で政権交代を成し遂げた。年次改革要望書も廃止した。

ところが。

アメリカの犬、国民の敵となった日本の官僚、メディアが、徹底的に小沢を潰し、同時にアメリカが唾をつけて仕込ませていたパナ政経塾系の人材、旧左派勢力等に、政権党内に再び親米グループを作らせ、クーデターを起こして政権を乗っ取ってしまった。
ここ日本でホントに起きた事。

振り返って未だに愕然とする。本当に、こんな事を目の前でされたんだなと。
しかも政争じゃない。外交です。
つまり日本国家の主権を侵害しているわけで。あろうことか侵害される方の官僚が手引きし、鉄砲玉として囲われていた政経塾系の政治家が使われて、メディアは情報操作。

ただし、それを、メディアの言う通りに政争の様にも大方は語ってしまう、我々国民の愚昧さもあるのです。官僚は国ではないし、ノスタルジックな「お上」でもない。大岡越前はいないし、暴れん坊将軍も、国士官僚もない。志のある人はいても、不遇を囲っているか、ヤメたか死んだかです。

その政権も当然ボロが出過ぎてレイムダック状態。コイツはそろそろアウツかという外国人献金ニュースのまさに翌日。
大震災、津波、原発爆発、メルトダウン。世論と頭のリセット、そしてアメリカの再占領。

そして来たのがコイツです。


◆「TPP」(環太平洋「戦略的」経済連携協定)上で行なって来たソーシャルエンジニアリング成果を不可逆に固定化してしまうフェーズ。

日米以外の環太平洋の小国がチャベス式に集まって、アメリカ等大国と交渉する力を持つなら判る。ところが日米で経済的に9割を締める。「環太平洋」はガーニッシュです。
一方実質日米2国の協定なのに、強制力や縛りは多国間協定となってしまう。

「国境はあるけど、もうこれからは全部アメリカの国内ルールやで。
破ったらうちの法律で罰するんやで。
変えよう思ってもあいつ等全部ウンといわんとあかんからむりやで。
貯金は全部うちの手形買うか、うちに預け替えやな。
種はウチから買ったもんだけ撒きや。1世代しか持たんから毎年買いや。専用農薬つかわんと枯れるからな。全部そうならんでもそのうち交配して後の祭りや。
医者はもう保険医療やめさせや。ええ治療は高くして金持ちだけ生き残ればええんや。水も覚悟せえや。
TPP入ってガタガタするやろうけど、自分で納めや。税金だけはとっといた方がええぞ」

医療の項など想像するに、
ショック・ドクトリンのカトリーナの話が思い出されます。薬も電気も無くて震災被災地の病院状態であったアフリカ系の居住地の保険医療の病院が日本でもニュースになって当時大変だなと思った訳ですが、沢山周辺にアングロアメリカ系の人間しか受け入れない自由診療病院があって、涼しい顔でまったく援助しなかった訳です。

そして被災した公立学校も復活せずに、バウチャー制に移行させられた。火事場の受託の構図。5月に少し書きましたが、今被災地がまさにそういう政策が進んでいる筈です。政経塾系の肝いりもある。

超、簡単に言うと、今後国単位の経済、経世済民=ケインズということが日本としては出来なくなるという方向でしょう。

例えば国の実情に合わせ、保健医療範囲を広げると、「自由診療の普及を阻害する政策」として訴えられる訳です。国の問題を解決するのに、各国に陳情する事になる。国の計を立てるには、アメリカおよび参加国全ての国の実情を勘案しないと立てられなくなる。
参加する理由はありません。長期的に考える程国益に反します。

導入しようとする政官財の人間は、あまりにいまさらですがまさに真の「売国奴」ですね。国と言う事が関係ない人間。ノスタルジックな観光地であって住む場所があればいいくらいの余裕のある人です。それが税金と他国への利益誘導である限り、そんな連中にも終わりは来るのですが。


 後半は、少し違った側面の話しを考えてみたい。

何かと言うと、特に都市部読書人”風”でいつつ、実はそれほど頭が定まっていない私を含めた多くの人がいる訳ですが、TPP等を前にすると、きっとそういう人が少し心に引っかかりが出てしまう事。
特にアメリカに対する場合、それはなにかと、「自由」がらみの事ではないでしょうか。

「自由貿易」というのは、理念でも権利でもなんでもなく、「障壁からフリー」という意味で、これはある程度促進しないと、経済活動は活性化しない。
事実具体的には日本の各関税は十分低いし、輸出産業の製造は実は殆ど多国籍化してるのでそれもあたらない。

ともかくも、アメリカの金融、医療、軍事、農産物を買えという事になる。
アメリカは我々に要らないものを強制的に買わせる権利等は全く無い。
しかし安くて利のある物を買わないのはおかしいと、アメリカ官僚は自分等の部下と化した日本の政官財を叩く物の、国民が買わない。

しょうがないので社会学的分析を行いそれに従って社会改造を命令してきた。
確かに守旧派政官財の腐敗もある訳ですが、それをネタに国家改造を受けなければいけないいわれは無い。
それが前半に書いたプロセスで、自由貿易という名の元にもう約定化してしまおうというのが、今回です。

 一方アメリカは、「自由の国」ですね。
その自由というのは、命、健康、土地、思想、金等の「財産」を持つ事は我々の自由の権利だと。他人に侵されれば、ガンを抱えて戦う。責任をもち、互いに侵害せずに、認め合ってやろうという事になる。

元々の移民集団が、イギリスから茶に税金かけられそうになって、怒って独立した国というだけで、当然、他の国を理由無く一方的に侵害する自由等を彼らは持つ訳もないです。

なんでこんなに戦争が出来るかと言えば、「我が国の資産を犯した」という理由で起こす。真珠湾も、日本の半密通者がまんまと仕掛けにのった訳で、その上で、イギリスの茶の関税の流れの延長に遠くあるアイコンに祭り上げられてしまった訳ですね。直近の大きいのが911。最近がカダフィですね。

で、ショックドクトリンの方程式で、世界中の資源、資産を奪い取って来て豊かな暮らしを謳歌してきたローマ。弾けてしまったインチキ金融工学の様に「自由」概念と防御装置の奇形。

フリードマン、ラムズフェルド他のフクヤマ的自由、ネオコンは、
「経済を自由競争にゆだねる」「自由の障害をのける」わけでは決して無く、

「惨事に乗じて、制度を変え、計画的インサイダーで、各安で民営化と受託を受け、(ここからが大事ですが)各国、地域の国民の『税金』を最大マージンで吸い上げる」

だけの事です。とんだ詐欺だ。ハイエクが泣く。

今は、手もかかるし、オフショア・バランシングに戻そうよという話しになっていて、元々のリバータリアン達が、ティーパーティー的に盛り上がって来ている。
元々はオラが土地を跨ぐな!税金も払わねえ!面倒はウチ等で見る!というのが、本来普通のアメリカ国民であって、他の国なんざ知らねえよ。互いにうまくやってあまり干渉しない様にしようぜ、というクリントイーストウッドや、大草原の小さな家の人々です。

所が今は、何か主語無しの「自由」の為の世界憲兵みたいになって、自由詐欺を世界中で展開して、各国の税金と資源を調達している。
自分がエイズウイルスに耐性があるからと言って、耐性が持てない国の人間を、避妊具つけるのは俺の自由の侵害だとレイプして回ってるような奇怪な国になっている。

あったり前なんですが、
我々にも、命、健康、土地、思想、金等の「財産」を持つ自由の権利がある。
だからおよそ「自由」周辺の事柄においても、我々は対等で、なにもそこで引く必要は無いのです。

水や環境、農業、医療等、国や土地、自分の命に当たる部分で、なんの譲歩もする必要はない。

例えば、米を植える事で国土、水源、環境保全できている国があり、全部自家消費している。その国が安い米を買わない、小麦を食わない事で、「自由」を侵害されたと言いがかりをつけて、強制的に食文化を修正させる権利を他の国は持っている筈が無い。

例えば、無ければ村が成り立たない橋があって、数十年に一度架け替えなければ行けないので計画的に切らずに村で合意している木を、土地を買ったと突然外部の人間が切ってしまったり、安全基準に俺の国だと満たない、と言って自前の橋を掛けて、通行税を取って、フトコロ寂しくなれば危険なまま放置する権利など、無い。

当然我々は逆もしかりで有る事を忘れては行けませんが、
我々はなにも「自由」に対して後ろめたい思い等しなくていいのです。自由はアメリカにある訳ではなくて、我々が持つものです。むしろ侵害されまくっていて、主張をすべきなのです。

 本当は国民の信託を受けた小沢民主党以降、我々の代表は空白の状態です。
クーデター、党首選等のいかさまと、震災ショックで生きのびている今の政権は、日本の主権者の代表でないそんな連中が、交渉期間にまったく加わっていないルールの約定を結ぼうとしている。
「関係ねえ」ですが、どうせ余計なペナルティを課せられ、またそれを飲む民僚、官僚は我々に負債を押し付けて来る。

今回は、国民の説得が出来なかったと言う事で、参加は見送って下さい。
「お上」の皆様、ひとつよろしくお願い致しますよ。

 実際、全てはアメリカと日本の官僚、そしてそれにぶら下がって食ってる民僚がやっていること。

おそらくアメリカの泥臭い田舎の親父と、ここまで書いてきたような事を思う我々は、共通の認識を持てるだろうという事も忘れては行けませんね。

長文となりました。この辺で。
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。