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ドリフトの遍歴。 [日記]

 お盆休みに入りました。故あって、家の片付けをしております。本は場所を取りますね。

ここに引っ越した際4割程減らしたのですが、新しいのも加わり、最低本棚2竿分に減らす為奮闘しています。学問や物書きが生業でもなく、自炊の手間もコストも不可です。数年前に一度フィルタした結果なので、さらに一段精錬。10年後読むか、後の人が読んで意味有るかくらいで精査しております。

ナオミさんの本は捨てないとして(笑)文字通り棚卸しする中、シーケンシャルに一冊一冊判断するとつらいので、何となくカテゴリで纏めておいているうちになんだか一本の線、いや系統樹が現れる。参考文献繋がりというのは今やハイパーリンクですが、それは基本的な学問の方法でもあり、まさに自分の頭のドリフト、放浪探索の軌跡が地図の様に現れました。なんとなくああ、四十路も半ばにして、おおよそ放浪も終わっていたのだなと感慨がありました。

最近纏まって物を書ける時間もなく、数ヶ月に1度の更新になってしまっていますが、今後も似た様な状況と思われ、その軌跡を夏休みの宿題的に、一旦の〆として書いておこうと思います。

 親が本読みであれば、子は親の本棚で育つ。
その中で、折口、柳田等並んでいても難しいので余り手を出さず、池田満寿夫とか(笑)主には開高健とか冒険ものルポ、本多勝一等社会問題の本など読んでおりました。
大人からは、少々扱いに困る部分のある子だったようで、何かを押し付けられると承服せず、理由が不明な強制をうけるとぶち切れる所があり、今の時代だと、即日審査&融資の統合失調で、バンバカ薬漬けにされたかもしれません。

そんな頃、「子供達の復讐」という本を読む。
その中に衝撃のテキストがありました。
面倒な子とされている自分の怒りの理由、その一端をうまく分析、代弁してくれるような文章で、そんな物を読んだのは初めて、というより、ネット等無い時代ですから、そのような社会の約束事、大人のモラルが完全に消え去った生な内容がテキスト化される(もしくはしていい)のだと言う事にホントに驚いた。

で、それは、その事件でミニテロを計画し身内を殺して自殺した、少年の遺書だったのですね(遺書も遺族の申し立てで順次版で削除されていき、確か今は本自体が絶版で読めません)。その意味で衝撃はさらに大変な物でした。幸い、事件の家族の特殊性、駆け引きみたいなものはウチには無く、矛先は単純に外に向いていましたが、とは言え自分も犯人が死んだ歳と近い。似た様な状況もある。慌てて事件の評論を読む。

ところがこれまで、左翼、社会問題の星みたいに思っていた著名な方々誰もが、もう、ほんとクッソの役にも立たない訳ですよ。変に感心したり、小型ヒトラーだとか、ヨットスクールとか、現代の犠牲者とか、インタビュー後に、じゃ、続きは飲み屋で(笑)、くらいの余裕をかましている訳です。
それは単に、本のターゲットユーザが犯人のような少年を想定していない訳で、ほかのルポシリーズと同様、新聞紙面に資料追加掲載して単行本化し、親世代向けの少々深刻な広義のエンタメなのでしょうから、当然と言えば当然。

一方、インターネットも無い時代、なんのまともな説明もされないまま、全ての大人がこうだったら俺は。。。と自分の生死の問題が次のページにかかってるとリアルに考え読み進む狭い頭の少年は必死です。段々絶望してくる中、「大人」とか「世間体、常識」というスタンスを一切纏わず、正面フルコンタクトでドーンと返してくる大人が、たった一人いた。それが誰有ろう、河合隼雄先生でありました。私にとっての最初の導師です。

まだ読み物やエッセイ等無く、臨床や研究、ユングの翻訳や解説しか出していなかった頃ですが、「母性社会日本の病理」を始め、先生の本を探して繰り返し読んで、閉塞していた自分と周囲の新しい意味がばーっと開けた。そこから、何歳とは言いませんが(笑)ちょっと、タバコ等も吸い始める、つまり、自覚的にきちんとやさぐれるような自己が、先生のおかげでしっかり持てる様になる訳ですね。
お恥ずかしい話しですが。

で、ついに追いつめられた「先輩」と同じ様な道を選ぶ事は無かった。

 最近でも、ホントは美大へ行きたかったと周囲にうそぶいたりしてますが、成績は悪く、美術は良いので、ウチで教えるからという先生も居て、美大進学も薦められました。親は当然反対だったのですが、自分も問題の先を少し追ってみる時間が欲しかった。で、浪人もしながら普通の大学に滑り込んだという具合で、まだこの時読んだ本等は、捨てないでとって置こうと思っております。

この項結構つらつら書けるので、続けるかもしれません。
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