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メキシコに関する5月頃のメモ3。 [メキシコ]

2009年05月09日16:33
メキシコに関するメモ3(最終回
の転載です。

ナオミ本のショック・ドクトリンの話で、南米がドミノ的にグローバリズムに反旗を翻したのを書きましたが、メキシコの政権交代後、麻薬戦争がエスカレート。
アメリカも政権交代して、融和方向に走った最中に、インフルと地震の爆弾が図った様に炸裂。
国境を接する先には、武器麻薬で世界に著名な人。
麻薬と、そんな辺りの話で、〆の回です。解題は最後に。

◇◇◇
(転載始め)

実際の所、あまりに麻薬の話は知らなさすぎるので、間の抜けた評論は控えて、大枠だけ考察してみたいのですが、

まず、インフルで、かき消された小口の麻薬の合法化ニュース。
実際英文でも結構少なくて、あっても扱いが小さい。

メキシコにはどうやら3つのパーティーがある。PAN、PRI、PRD。
PRIは71年政権にいて、党首選挙も1999に一回しかした事がない独裁政権でした。自民党です。
PANは、PRIの前身の政党の対抗政党として出来た。PRIの反対者の受け皿になった。民主党かな。

1994年のメキシコ通貨危機以降でショックドクトリンを施される。借金返済、民営化の嵐で国民生活ボロボロになって、麻薬と誘拐業が凄くなる。そんな最中でようやく2000年PANに政権交代が起こる訳です。

残りのPRDてのはホントの貧困層の味方の左派らしい。防弾車に乗らなくても良い人達。大人気のメキシコシティー知事だったかが、法律的に問題が有るか判らないような汚職で訴えられて、大統領選に出れなくされたのが2006年くらい。小沢の時みたいに検察に非難が集中。
まあ小沢と西松ですね。政党としては社会党みたいなもんだろか。

で麻薬撲滅の真逆のような、5月の小口麻薬の合法化なんですが、これなんとか英文記事を探して読んでみると、左派のPRD含めて、全政党がほぼ賛成だそうなんです。つまり右も左も含めた総意であった。

そして、最初混乱したんですが、PANの初代のフォックス大統領時にもまったく同じ法案が通っていたんです。ところが最後発効しなかった。フォックス大統領が署名しなかった。理由は、ブッシュ時代、アメリカが圧力をかけたから。
こう見ると、まるでアメリカが正しい事をしているように見えて来る。

英語圏の記事を漁って、必死こいて英文記事探してちょろちょろ読んでいると、ひっかかりにくい左派系ジャーナリズムの論説等いくつか読むと、これが全然違う印象なんです。

こういう事らしい。
軽犯罪いちいち捕まえていると、力削がれるという事もあるんですが、まず第一に、メキシコの司法システムがとっくに破綻してるらしいんです。刑務所というより、メッと叱って、リハビリ施設に送った方が良い連中が山の様にいて、処理も出来ず入れる場所もなくフン詰まって久しいらしいのです。

そして、現在ローカルの状況に合わせて政策を変えるべきだと、南米全体の麻薬対策はシフトしつつあり、合法化してしまおうという戦略が出て来ている。
まさにメキシコ左派のPRD議員が、南米の会議で、ソフトドラッグのマリファナに関して、小口取引の合法化が必要かもしれないと。結局麻薬組織の痛い所を突かないとどうしようも無いと。つまり経済的側面の事です。

周辺複数国で合法化してしまえば、密輸の意味が消え、価格のつり上げも出来なくなる。しかもソフトドラッグの為にアメリカの武器で戦争をする必要がゼロになります。
麻薬の旨味を無くして普通の物にしてしまう。これが一番だと。

で、アメリカも参加しろと呼びかけている。USもオバマ登場と供に、アメリカの麻薬取締局も、大枠で方針が今までと代わらなければ、うんとは言わないけど容認、くらいのスタンスになっている模様です。それで今回メキシコで後サインだけすれば、小口の麻薬の合法化が通りそうになっている。

なかなか深いですね。

兎に角がむしゃらな全面禁止というよりは、ローカル状況を勘案し、かつ、計量的な経済的事実を重んじる方向に行こうという訳です。
あっと思い出したんですが、日本も麻薬生産して大陸の戦費にあてていたので、とても偉そうな事言えない訳ですが、台湾の阿片撲滅政策の際に一旦現状を認めて合法化して管理し、元を断ちながら狭めて行き、いつまでも断ち切れない大陸と違って、早期に成功した例を読んだ事があります。後藤新平の話でした。成る程ねと思ったものです。

実際マリファナの流通で、麻薬組織は6割近い収入を得ていると書いてある論説もあって、合法化したら、ガツッと一気に状況を変える事が出来るかもしれない。

そういう事らしいのです。
で最後、今回の様々な流れに関して仮説を考える要素だけ。

おおこれは大事な数字と思ったのは、メキシコの麻薬組織側の稼ぎ。推計1兆円とされている。
6割の稼ぎが合法化されると、旨味が減り、6000億かけて戦争状態になってるメキシコの麻薬撲滅対策費も要らなくなる。

おいときますと、麻薬摘発されると、良く末端価格が紹介されて、相当旨味のある商売だよなあと思いますが、当然アメリカではメキシコの流通分がきっと数十兆円になる。

素人考えですが、
南米は他にもルートがあるし、占領と供に世界のヘロインの90%を生産するアフガン、3角地帯のアジア、北朝鮮等があるので、メキシコの麻薬の輸出だけで1兆円という事になると、世界中の小売り販売金額を想像すると、おそらく4桁は行かないかもしれませんが、3桁兆円の位に入ってくるのでは。
世界的には、マネーロンダリング=このレベルの金額なんだよという実感はあるのだろうと想像します。

それらに対しては、先日ナオミ文の間に紹介したNHK番組でやっていた、ショックドクトリン系のホームランドセキュリティ系焼け太り企業の小口口座摘発ソフトなんて意味無い。大きくはああいうシステムは、国民の経済活動の監視や縛りに目的があると考えた方が良いです。

戻ると、メキシコ麻薬組織の武器の95%はUS製で、麻薬の消費も大方US。
で、この規模になると小さな国の国家予算の何倍もあるレベル。実態の有る非合法商品が国境越して流通して数十兆稼いでるなんて、政府の一部が関与をせずに成り立つ筈は無いのです。
トヨタの売り上げでさえ年20兆円なんですよ。

当たり前田のクラッカーなんですが、儲ける方に元締めが居ます。
後は文責無しの自由連想。

メキシコ国境の反対側→南部、テキサス、主に共和党地盤
テキサスの親分→ブッシュ(特に父)
南米との民主社会主義との融和に反対する勢力 →共和党ネオコン
マリファナ合法化反対→白人カソリック、共和党
銃の販売規制反対→ガンロビー、共和党
若い頃CIA長官、世界中の紛争地域の麻薬、武器取引で裏金を作り、
国際商業銀行でロンダリングして(イランコントラ)、アメリカ議会で
追求されて逃げた人(笑)→父ブッシュ
おまけに、
共和党ネオコンの雄にしてショックドクトリン最高の使い手にしてタミフルの
ライセンス持ってるギリアドの大株主→ラミー

自由連想おわり。

メキシコの項の最初に書いた上のジョークを見返すと、ちょっと笑えないすね。ではこの辺で。

(転載終わり)
◇◇◇

アメリカの保守にネオコンは寄生していて、カソリックや、自由主義のモラルやイデオロギーを使いながら、グローバリズム的にビジネスをしている。

オバマの政権は、リアリストと、こういったネオコンが勢力争いをしているキメラ的な政権で、我々が想像するアメリカの良心的な保守や、リベラルの人材は実は居ないと言う事は、中田さんの新著で良く判りました。

しかし、世界的にはなんとなくそういう印象を持たれて、実際はリアリストの組んだ融和方向の看板として主にオバマは振る舞う。

グローバリズムにさんざんやられた国々が、少し希望を持って近づく。その際にネオコンが既得権益を犯されると、暴れる。

そんな構図かと思います。

状況は違えど、日米関係でも同じ要素が随所に見られる。だからこうやって読むと、メキシコと似た者同士だなと思ったりします。我々まだまだ気をつけた方がいいと言う事でしょうかね。
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