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戦争への世論醸成に対し、例えばリベラル勢力がやっていなさそうな事。 [日記]

 今日は「野望の中国近現代史 帝国は復活する」「Wealth And Power China's Long March to the Twenty-First Century」を読了したので、もう大オススメ、必読!の書評を書こうと思いつつ、昨今の緊迫した世情の中で、少し頭に去来したことがあり、そちらを書きたいと思います。

が、その前に本の感想をちょっとだけ。

黒船と同期したアヘン戦争時代から今に至るまで、日本が思想を借りもした隣国の歴史が、タイムラインでブツブツ分断してる訳はないだろうと思っていました。
長尺の歴史としては岡田英弘さんの本がありますが、近現代史の通史がもやもやとしていていい本が無かった。加えて最近は嫌中韓のクソ本で棚が埋め尽くされて困った物だよとお嘆きの貴兄にとり、this book is the answer for youですわ。一見列伝ではあるのですが、夫々の思想と活動がオーバラップしている流れで書かれている見事な構成です。

なんでも原著を読む方が基本良いのですが、この本に限っては、隣国として膨大な情報や前提を持っている日本人の理解を踏まえて、一般の翻訳家でなく政治学、政治思想の枠組みをもたれた古村さんに正確に訳されたと言う意味で、特に素晴らしい物となったと思います。幸運にも、読みかけていた頃、初めてアジア、香港、台湾、韓国の、仕事としては最悪のキツい(笑)出張がありまして、現地の空気と言うものを感じながら読む事が出来ました。必読の一冊です。

◇◇◇

 で、本題ですが、先に結論を言えば、紛争や戦争へ向かう世論の醸成も、我々の日常の商売の努力と対して変わる物ではないだろうという事、またその場合、これまで思考停止して手を付けてないアプローチも、逆のポジションとしてはあるのではないかという事を書きたいと思います。ホントに普通の事ですが。

最近のきな臭いざわざわした状況ですが、
蓋然性として、プーチンにとっては最悪の話ですから彼が判断してやった様な事ではないでしょ、と思うのですが、一方アメリカは軍需関連産業の労組が大きいから、日本で言うリベラルさえ戦争はグリーンライトだったりしつつ、オバマ側は元々はこれ以上の戦争はやりたく無さそう。
であればアメリカの中の人と言っても、フランシス・フクヤマが勝利宣言を書いた側の連中が仕掛けているとすれば、実際のところ近しいカナンの地の人はペリシテの人と再度無理矢理に紛争を初めてしまったし、我が国は他人の戦争へ派兵を可能にしようとしている真っ最中だから、そうなのかなと。
これも周辺国から総スカン食らうと思いきや、対中国軸にそれを認める親米国と認めない国に色分けされつつある。でも、中国とアメリカはしれっと合同演習しているなとか、マレーシア航空は一体なんで毎度こんな目に、という様な事を考えている昨今です。

副島先生のwebに行くと、納得の詳細な論考があり、それはそれでログインして見て頂くとして、例えそこまで勘が利かない私のような人間も、今とにかく戦争に向けて動いている事、それなりに酷い事にならんようにという人が少し居る事、あとは、マスメディアの大勢の露出内容はフクヤマ側で、バイアス無しの報道はあまり無いだろうと言う事は解る。メディア内部に良識派がいても共産党他リベラルと同じ構図になっているんでしょう。リベラルも総崩れで、非常に不安ですね。

このあたり、多くの人が慣れ親しんでいる日常的な言葉で言い切ってしまえば、イベントを核にしたプロモーション、クロスプロモーション、Buzzメイキングと言えます。
根拠がムリクリでも、やせる、ガンが治るという食品の特集で、物切れパフォーマンスも含めて在庫一掃業界一息つく様な仕掛けを、ディレクターへの酒池肉林と付け届けでレバレッジ効かして実現するのとと何が違うのかと言えば、何も変わらない。

昔、中田さんの本の書評で、ジャパンハンドラーズとアメリカの、日本の受け皿に関するコミュニケーションが、日常の本社と販社、代理店のコミュニケーションと変わらないという事を書きましたが、ビジネスに極めて近いのではないでしょうか(実際、戦術や戦略の多くは戦争の方法論等から来ているという事はありますが)。

そう考えて振り返ると、こと戦争やリベラル勢力の扱う数々の社会問題に対して、変なモラルの自縄自縛に陥っているのではないかと感じます。

例えば、そういった「いけないこと」に対しては、デモ、署名等して、証拠を上げて象徴的な裁判に持ち込めても、官僚の方針とズレれば人口に膾炙せず(=Buzzがないという事ですが)座組的に死に筋に組まれた法的なシステムに問うて、ぶらかし戦法で引き延ばされ、落とし所にたどり着いた際には、最早問題が終わって何年も経っている、ということが非常に多くありますね。基本は法に訴えレコードに残す事は最も重要ではありますが、世論の形成という意味では、取り返しのつかない所にまで自分で落ち込んでおいて相手を攻撃する(頼る)、所謂「受動攻撃」ポジション見たいな印象があります。

大掛かりな戦争に対する人々の同意の醸成も、紛争のバズと世論のバズで盛って盛られて醸成されていきますが、逆のポジションから同じ事をするのは、リベラルのモラルとしては悪い事でしょうか? デモや大規模集会の予算が賄えて、全国組織化しているようなリベラル団体であれば、別にチームせこ○(笑)でなくても、出来るのではないか。

それ以前に、小さな一般企業で、ツールを導入してネットのバズをモニタリングし分析して、自陣営のBuzzメイキングのプランニングをしたりするのは普通で、兄ちゃん姉ちゃんで出来る事です。
マスメディアは、元々プロパガンダ機関ですし、限られた人しか見ないからほって、例えばネトウヨ的な戦争肯定への盛り上がりが、何をきっかけにどう動いたか、それに対する考察を四半期でレポートして、それをオフィシャルにネット上で閲覧出来る様にしておくだけでも良いと思います。逆に今、大学の社会学等はやる事無いはずなのでこうしたリアルなテーマをリベラル系の大学を使ってやってもいいのでは。

すでに崩壊してしまっているリベラル勢力ですが、下手すると、未だにネットをマスメディアに対する自分たち自身が活動する、ゲリラ的発信の場というような、黎明期から全く抜け出ていないようなポジションで捉えていたら、それでは負けるも当たり前。エントロピー的に、集約された知恵が無ければ弱い勢力は持ちませんから、お決まりの行動での免罪符を得ようとする、生活に困らない良識派中流の世帯主以外が頼みであったなら、蹴散らされて当然だったと言えるかもしれません。

受動攻撃的に、「弱者を救済」と叫んで、結果「増税」と叫んでるのと一緒なので、官僚はシメシメと、そんなポジションが継続する。

なので、専業で活動出来る人々は、上に書いた様にRadianでも導入して、日本語+英語でレポートを発信してみてはどうだろうかとポロッと思った次第です。うまくメッセージを出せれば、風向き結構変わるのではないか。その分析を元に、また活動を考えてもいい。

震災後に、
http://zutsuki.blog.so-net.ne.jp/2011-06-26
こういうのがあったり、
リーク系対策はワールドで法制にインプリされてしまったりしてますが、人間の知恵と末端の進化はとても速い物ですから、例えば経済活動の中では最早普通になった事、そう言った事を改めて探して取り入れ、世論の誘導を客観データとしてリアルタイムで提示してみたり、対策を考えたりしてみるというのはいかがでしょうかね。

ではこの辺で。
タグ:戦争
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