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まず東電。次政府(官僚 [The Shock Doctrine]

 原発事故の処理に関して、昔ショックドクトリンを読んだ身には、しみじみ思う事があります。

「原発、正力、CIA 」という新書があって、大手書店で何処でも売っている、とても興味深く簡単に読める本があります。読めば、原発事故とその後のぐだぐだ処理を見た我々には、こんな動機で、日本の原子力始まったんだとガックリするか、アホか!と思う筈。

その割に人口に膾炙していないようで、これだけ日本中で放射能騒ぐ割に、読まれていないのかと思ったりしてます。

そして、東電と、関連した閣僚等に対して、裁判が起きない。ネット上の流れも纏まらず、放射能や、食品にかんするモノばかりです。これらは、政局隠しの朝青龍ニュース、増税隠しのタバコ税ニュースと同じ趣旨の原発の責任隠しの為のスピンに思えます。その間東電と官僚の良い様に処理と賠償を進めてしまう。

実際、脱線すると、放射線「医学の専門家」以外は全員身体への影響は只の素人のはずで、あまり話を聞いた所でしょうがない。そして既定の流れの左翼運動ムーブメントの殆どは裏がある。
ある意味リベラルの本物と言える、「自動車絶望工場」以来読んでますが、素晴らしい正確な仕事をし続けて、原発反対運動も行っている鎌田慧さんは、rad mamaにとっての悪魔、山下氏とチェルノブイリ以来よく活動されています。左翼運動してる人はここで悩む筈。

 で、戻りますと、今回の震災、原発事故に乗じての、大資本、金融、間口の官僚の動きと言う面では、先日邦訳でましたから、私より優れた方にお任せするとして、反原発運動に参加される方の頭の隅に是非おいて欲しいなと思う事があります。末尾に2年前に乗せたあらすじ転載しときます。

特に今回の原発の一件からすると、冷戦構図のケインズ、社会主義政権からの転換の例でなく、南アやポーランドの例が良いかもしれません。
例えばマンデラが出所して、アパルトヘイト政策がついに終わると。歴史的大転換が起こる訳です。表では。
所が実はさらに酷い困窮、平均寿命の低下、犯罪率の増加が待っている。

人権や、基本的な生活を長年侵害されて来て、今ようやくおかしいということが認められて、自分等の政府が出来た!これは素晴らしい事です。私マンデラ氏も尊敬しています。

しかしそれらの生活の改善や、今までの人種政策に苦しんだ人々への保障等は出来ない。なぜなら新政府に予算が無いからです。国に金がない。

何故無いか。
前の南アの状況を活用していた=原因だった、化学、食品、鉱業関係は別に責任を負う訳でもなく、旨味が無ければ撤退するし、アパルトヘイト政策の責任を取る事も無い。白人の資産強制没収等も出来ない。銀行を国営にする事も出来ない。

当然、資金バックの無い中で政府が成り立たないので、IMFや世銀から金を借りる。その場合、もれなく民営化や資源鉱床を売り払う条件、安心して投資が出来る条件造りが、借金の条件となる。

企業に苛烈な増税を課したり、アパルトヘイトで資産を貯め込んだ、企業や官僚、上層白人からそれを奪うラディカルな事をしたら、びた一文化してくれません。だから、借りる為にもっと酷くなって、先進国の一角を担う様でありながら、ワールドカップの開催も危ぶまれるような国情なのはご存知の通りです。

原発事故を振り返ると、責任があって、かつ負える第一当事者の東電がいます。
だから、まず、全てをここから取る前提でないと行けません。

彼らは払えます。
なぜなら、飲み食い接待までかかっただけのコストを全部電気料金に乗せるという、独占企業、いやほとんど企業でなく電気関連徴税関係官庁です。
年間の広告費を10年以上封印し、給与賞与を「上から」やはり10年以上削り、一般企業並みにコストダウンするだけで、相当下がる筈です。それでもそれなりに食って行けるでしょう。

これは、絶対自分ではやる筈もないですから、判決を出すしかありません。

やらせまいとするのが、日本の場合官僚。報じる媒体、メディアも大旦那だから、そういう訳ですね。広くあまねく金を取れる「徴税」手段をもっているので官民クソミソになって、金だまりをキープしようとしている訳です。

だから、原発事故に関しては当然、

半国営放送、全てのマスメディア、特に隣国国家プロモーションも請け負うような代理店に販売を任せているメディアは、絶対に責任を追求する”結果につながる”ような報道はしません。

正しい様に見える報道でも、「追求してる風でそらす」、「フェーズの異なる実現出来ない目標」、「運動のガス抜き」で構成されています。はっきり言えます。
だって、自分がマスメディア勤めてたら、視聴者からコンテンツの競争で金取る決断をしないかぎり、そうするもん(笑

で、見事にそのまんま「増税」「料金値上げ」と来た。
で、東電からは媒体購入、接待旅行漬けの、本来的に官僚政府の広報機関のマスメディアが、既定路線とばかりに、「決まった事」「しょうがない事」「歯噛みしながら苦渋の選択をする大岡越前守」みたいなキャッチで一斉に報じる。
記者もメディアの経済原則に従って「ククク、、苦渋の選択だ。。。」と一人よがって3文芝居してみせる(笑

だから、まず、当事者責任、東電、そしてGEもあります。これは冒頭に書いた、「原発、正力、CIA」に1号機出てますね。そうしないと、国民が増税に反対だから、除染も賠償も出来ないと、平気な顔して官僚と東電にうそぶかれてしまいます。

被災された方にしろ、我々にしろ、財源がないからと、南アのように、アパルトヘイトで出来た階層が、撤廃に寄って永遠に固定化されるようなことの無い様にしないといけない。
裁判に追い込む様な運動にしていくのがよいかと思います。

 核兵器開発や、我々の前の世代が、正力氏、官僚のキャンペーンにのって平和利用アトムアトムー!と浮かれた事は当然ながらあり、また大きな問題ですが、その前にやっておくべき事です。

 最後、凄い単純な事なんですが、世の中に溢れ、昔からおかしいと思っている事ですが、公共機関の広報や、パブリックアドレス、ACで、
「~○○をしましょう、○○を心がけましょう」という。

未成年の学校で教育としては判る。もしくは、公共機関内部で、自分が仕え、給料を貰う国民に対するモラルとして、何かを心がけましょうという呼びかけであれば判る。

そうでなければ、「お願いします」であって、かつその理由がいります。

東電が人災で、原子力発電所を爆発させ、周囲に長期間住めない放射性物質をまきちらした挙げ句に、なぜ政府と一体となって、節電を心がけましょうと上から我々に言い、料金値上げをするのか。
そして金魚の糞のメディアまで一人称で一人芝居で紙面で踊りながらそれをいうのは、経済原則(笑

そして裁判が起こる影もなく、なにか賠償プログラムが当事者の官僚と東電で決まっちゃって資産を売るとか断片的な事だけ「やってんのかね」「料金値上げってきまったんだ」と思わせる様に進めてゆく。キ●ガイかと。

で、キチ●イではないんです。単に彼らは、我々民草は、そういう存在だ、と思っていると言う事。

 
 今やショックドクトリンが邦訳出たので、読んで頂ければいいんですが、やはり邦訳の性で、正確性を保持するため、読書人でないとちょっと重い作りになっている。なのでこのblogの3回目に書いた事ですが、転載しときますね。

「半分とはいえ随分読み進んだんですが、ボリビア、アルゼンチン、サッチャーのイギリス、スハルトのインドネシア、レーガノミクス、天安門時の中国、東欧、ワレサのポーランド、マンデラの南ア、そしてソ連。

基本変わらないのは、経済破綻が起こり、また作る場合もある。
それは最初はクーデターだったり、共産主義からの「解放」だったり、過剰な民主化の逆コースだったり、振って湧いた紛争だったり、様々です。
国体が変化する様な政変のショックもあれば、政権に押さえが効いている場合はソロスみたいな連中が為替の暴落を仕掛けたりする場合もある。

経済がショックでガッと悪くなった所に、緊縮財政を引く。
操作による経済悪化、利率や税制等政策で落とす。すると、軍事政権であれば、政策丸抱えの顧問、大抵は経済顧問とそれと併せてバークレー、シカゴ、ハーバード辺りに行って帰って来たフリードマンの子供達が財務官僚について、「一時的な痛み」、「苦い薬」と言いながら一気に民営化を進める。小さい政府でレッセフェールに向かう。
極端な民営化が行われて外資が買う。
特に破綻した国の場合、世銀やIMFのお世話になると、その返済プランでまたシカゴ学派の連中がコンサルで入る。全部2束3文で売った上に、返済と利息がのしかかる。それがガツッと税金に乗る。
法人税はレッセフェールですから軽いもの。ただ人には人頭税寄りで重くかかって来る。

外資が鉱山、油田、優良インフラを一気に買い、または出戻りシカゴ学派ボーイズが、インサイダー的民営化の受け皿となったり財務系の官僚として調整したりする。外から見れば、投資先として凄い利率を短期で上げるので、「○○の奇跡」と「不死鳥」とか経済誌に載ったりする。

その後引き続き基幹産業、資源産業は外資経営、またはパペットの太子党やオリガーキーが牛耳る。
そう言ったごく一部の勝ち組をよそに、民主化、自由主義化に「改革だ!」と盛り上がった現地の人々の、失業率その他暮らしの指数は改革以前よりロケット的に悪化し、何が起こったのか判らないまま、なんの景気が良くなったのか判らないまま、昔リベラルな盛り上がりを見せて、「これから変わるんだ!」と民主化を実現したと信じたあの時の輝かしい記憶を呼び起こしながら、なぜ?と貧困に喘ぐ。デモをすれば捕まり国に依り命の危険。

この流れは、本当に最初に書いた国々で、全部同じなんです。

そうです。おわかりの通り。

どこぞの国の10年、いや20年に、ちょっと嫌になる位当てはまりませんか。それどころか、それぞれの役割を担った人の顔まで浮かびませんか。だから早く邦訳が出て一等地に積まれて欲しい。 」

 これが2009年の事。小泉時代の経済ショックの後に、物理的ディザスターにも見舞われた今の日本である訳です。

ショックドクトリンも、「もしドラ」じゃないけど、「もしクラ」ぐらいの読みやすいのがあるといいのですが。。

この辺で。

ナオミ・クライン「The Shock Doctrine」邦訳出版! [The Shock Doctrine]

さて、
本日は、目出たい様な、複雑な気持ちで書いております。

実の所、日本での翻訳出版権をもっているのは、岩波だと言う事は随分前から業界の方に聞いていました。お前のとこから出せよ!と言ったら、調べてくれて、岩波があっためてると教えてくれました。

何の事かと言えば、このblogのきっかけとなった、Naomi Kline の「ショック・ドクトリン」です。

某ケケ中氏などが、まさにこの中に出て来るシカゴボーイズのようであった訳ですが、小泉時代を過ぎ去っても出さない、政権交代が実現出来ても出さない、そして、この震災を越しても出さない。
延々と今まで持ち腐れたまま、握り潰すのであれば、お前等やっぱり共産と一緒で体制内固定化左翼か!と糾弾するつもりでした。

日本語版がようやっと、今日出荷になるようです。震災待ちでもしていたのか。

http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/02/5/023493+.html

英語で読む人は読んで、粗訳を作ってもらって読んだりした人も多かったでしょうから、大方内容は知識人に広まっているかと思います。これを、人口に膾炙する本へと、これから岩波は死力を尽くさなければ行けませんね。

この本に書いてある事を系列建てて知る事で、それだけでもwowファクターがあるでしょうけども、是非その後に、日本に置き換えて考えて欲しい。

震災を起こしたとは言いませんが、それを奇貨として、今誰が、なにを、
「日本のどういった連中を通して」行っているか、
TPP、沿岸の漁業関係利権、原子力関連、エネルギー関連、経済金融政策。

震災という事を忘れても、フリードマンの近衛兵みたいな連中が、海外の留学先、赴任先から戻って来ていろいろやらかしましたね。
クラインの本では新自由主義の「シカゴボーイズ」と呼ばれます。彼らは日本だと、この20年一体誰にあたるか。さらにそう言った政策の広告塔、手先となった実業界の人間達はどのような人々だったか。

特に、日本アメリカの覇権国、属国関係に置いてのそれはどのような形であるか。
必ずしもシカゴ派ではなくケインズ派なのにそうする人も居る訳です。
学派でなく、ローマと属国の関係に近い。アメリカの日本ハンドリング体制がそこに更に強く有って、単にシカゴ派なんてモチーフだったりするくらいです。

皆さん、まずは、日本の事を振り返ると、筆頭に、今話題の、うらっかえすと後山、短大陸各氏や、松でも梅でもない中の人(笑)、パナソニックなんとか塾とか思い浮かべると思います。

正しいですね(笑
正しいんですが、彼らはむしろタレントおよび捨て石です。
シカゴボーイズ的なものに侵されたでっかいがん細胞のような固まりが日本にはあるんです。そうです。官僚。中枢は人事と財務ですね。

結局ショックドクトリンのへたくそ訳から始まったこのblogを書いているうちに、そこにどうしても行き着く。官僚の暴力装置を使った小沢氏への異様な攻撃への反論や、官僚のエトスは今や金さんとか黄門様とかへたれテレビドラマくらいしか無い事まで暴き立てる様なblogとなってしまいました。

何回か前から、おヒマな方は読み直して頂きたいのですが、もう律令グセがついて、お上に任せ、分を知る事が美徳や習慣であるような社会の在り方なのです。だから、戦後占領軍も官僚のあたらしい親分になって、かれらをそのまま生かして占領した。

この本を読んで(重ね重ねいい訳であり、印象操作の無い事を祈りますが)是非そうした事に思いを巡らして欲しい。国民主権とは何かと言う事を考えて欲しい。

上手く訳してあれば世界20数カ国で随分昔に(笑)ベストセラーであったように、きっと未だに「閉ざされた言語空間」の日本においてもベストセラーになります。

クラインの構成が上手くて、最初は恐ろしいCIAの洗脳実験の歴史や、アグレイブ等が書かれます。ここでぐっと引き込んで、歴史上のコトゴト、南米、ソ連、カトリーナ、中東、ヒズボラ、南米の反転攻勢、そして大津波、固い話も飽きずに読める事請け合いです。あれはそうだったのか!ヒズボラって凶悪テロ組織じゃなくて、ローカル互助会?とか。

是非皆さんに読んで頂きたい。

さて、ほんとにこのblogもそろそろ役割を終えそうです。
いや、年間10万pvもいかないような弱小blogだから役割なんて担ってないですね。自分にとっての「意義」、知ってしまったので騒がないと行けない意義と言い換えましょう。
それは、翻訳が出て、ちゃんとプロモートされれば終わる事になります。

よくまあここまで書いて来たなと少しばかり感慨もあり。
既に飲んで書いていますが(笑)小さく、一人で乾杯したいと思います。

あれから、アイン・ランドの、
「ただ食い官僚以下の付加価値生まない連中を担ぐのをやってらんねえと諦めたアトラス」(笑)
なんぞを読んだりしました。

脇坂さんという美女が翻訳されたのですが、高くて、結局原著で読みました。彼女は今ユニクロのIRのトップあたりで働いて居られるらしく、あの本を訳した方が、イノベーションと関係ない外資風水平分業スキル人生を歩んでいる事を、とても不思議に感じ、話を聞いてみたいと思ったりします。

この本も是非読んで欲しいですね。
アメリカ人にとって、龍馬伝とか、坂の上の雲に当たるそうです。印象としては、ジョージ・オーウエルに少しハーレクインロマンスな感じで、ただし管理され摩滅されて行く連中が主役でなく、イノベータ達が主役で、シュラッグドして隠遁しちゃいます。大変面白い。

震災の時に思ったんですが、そっくりなんです。

ヘーゲル的なイノベーター達を追い出しつつ頼らないと何も出来ない、自分等では付加価値を生む事の出来ない官僚以下がショックドクトリンも使いながら国家を向上させる事がみじんも出来ず破壊してくばかりのその姿、心情。
やはりかれらも「ボーイズ」扱いだったりします。

これが、日本の官僚の震災対応に見事に重なって、きっとリアルアメリカ人は、奇貨とばかりに、日本に借金させつつも、苦笑してるんじゃないか、そう思いました。

アインランドを悪く活用した弟子がフリードマン。一方、愛人だったかと噂のあるグリーンスパンは、アメリカの終わりを自ら仕込んだ。
このアメリカの思想の中核を成す様なアイン・ランド自身は、ロシアからの移民で、アメリカと言う国の実質が実はなにもピルグリムファーザーズで出来上がっている訳でもなんでも無い事がよく分かる。

むしろ主人公の超人的な姿は、なんとなくランドに故郷が近しい、神秘思想家のグルジェフ当たりの感性ととても似ている様な気がします。
日本の常識からすると、こんなとんでもない様なアメリカの「秘密」めいた実感もたった2冊原著を読むだけで感じる事が出来ます。

殆どの日本の人はこんな感慨一生持たないで人生終える訳ですからもったいない。是非読んでみて欲しいです。

今は、やはり訳で読もうと思った我が尊敬するリンドバーグの文庫が絶版で1万円以上するので、頭に来て原著を輸入。1800円で、私と同じくらいの年齢の第一版が届きました(笑

ページは結構きれいでびっくり。ただ、所謂アメリカの古本臭が強くて、まだ読まずに日に干してます。

それでは、この辺で一旦、サイニングオフ。
明日また書くかもしれませんが(笑

今まで読んで頂いた方々、本当に、ありがとうございました。

ではまた。

The Shock Doctrine を読んで。 [The Shock Doctrine]

あすは遂に選挙です。

「The Shock Doctrine」ですが、随分前から日本の版権は決まっていると思うのですが、
結局、選挙を迎えるまでに、残念ながら邦訳は出ませんでした。

出ていれば、これまでの日本の20年を振り返って正す動きを喚起する、重要な本の一つにはなっていたのでは無いかと思うと惜しいです。

あとがきで、Naomi Klein自身が冗談混じりでこう書いてます。
経済のプロでもないこんな本を彼女が出したのは、この本の膨大な協力者の「陰謀(コンスピラシー、ホントは共同謀議)」だと。
確かに彼女自身の力もあるでしょうが、スタッフや周辺協力者の力が大きかったのでしょう。それだけ世界中で同じ憂き目に合った人、おかしいと思った人がいた訳です。

 昔仕事していて、アメリカの事はカナダに聞けと言う部分があった事を思い出します。
アメリカの経済圏に巻かれて常に従属せざるをえない。しかし、ヨーロッパ色を濃く残した新大陸の国家は、個がしっかりしてて、冷静で、バランスが取れている。不思議と「分を弁えている」かの様な似た感覚を持っていて、良く、強いアメリカ側の要求に対応する為のヒントをくれたものです。
地政的に、彼女がそういう出身と言う事も影響しているかもしれない。

結果、有る視点から見た世界のグローバリズム現代通史みたいになってしまったこの本は、読んでしまうと 自国の流れを、あっそうかと客観視出来てしまう。

一人で悩んでいる時に、先達や、同じ目に会っている人を沢山知ることができたら、 それが一番力になるのは、日常でも同じ事。まさに、ショックに翻弄されている時期に、出て欲しかったなと思う。

 人に拠って、終盤は答えを提示しない左翼的な紋切り型だというかも知れません。でも、頼るべき画一的な答えを提示すること自体が、有る意味嘘であり、何度も陥穽に落ち込んでしまう可能性を作る。
渦巻く不安に、思考停止出来る錦の御旗を欲する気持は誰にでもあるけど、その気持が、各階層に向けて作られた、プロパガンダのいいカモになる。そのプロパガンダというのは、B層向けのテレビ番組だけでなく、経済理論や思想まで含まれる。

終盤に書かれている、その場に生きる人間の自助努力と相互扶助が、キーになります。当たり前と言えば当たり前ですが、ちょっと解題したい。

◇◇◇

 フリードマン、シカゴ学派がモチーフになっていますが、本来の「レッセフェール」は、利率を下手に弄ってターゲットに近づけたり、不換紙幣ドルをじゃぶじゃぶに供給できるような状態の事は言わないものだと思います。つまり、工学しない、科学してアプライしない。

暗愚な自分、特に経済を学んだ事も無い自分なのでホントに簡単にしか言えないのですが、人が生きていくと言う事は、自転車やバイクに乗って倒れない様にバランスしながら、且つ状況にいろいろ対応しながら走っているような所がある。

誰かが自分をどうにかしてくれる訳ではないし、論理や錦の御旗の言う通りにしていれば全て旨く行く訳でもない。ハイギアで効率的に走ろうとしても、ぬかるみでは止まるし、穴があったり対向車がいるのに、避けなければ死んでしまうかもしれない。自分で自分の生きている場に対して、いろいろ工夫しながら、人々は互いにバランスを取って進んでいる。それの積み重ねがその土地の人ややり方と言った物を作る。

本物のレッセフェールは、そういう人々が自助努力と相互扶助でバランスしているホメオスタシス、その集積の市場において、市場の主体性の中から最適バランスを生む様に物事が進む事を前提としている。

 景気によって変わる金融の資金の保有額と、応じて出来る金利差によって、例えば生産材と消費材への投資のタイミングなどがかわり、大きく見ると各景気指標は循環する。誰だったかハイエクだったか。
間違った無理な中期的投資は完成せずに終わり、損失となるけども、兌換の通貨であればそれを煽る余計な資金は生まれず、結果早期にリソースは再配分されて、別の経済の力となっていく。インフレデフレもプロセスです。
イノベーションが、またその波を大きくしたり特徴づけたりするといったのはシュンペーターだったか。

大学に行けば般教で教わるようなベーシックな話。
だからこそ、自由主義経済は政府の過剰な徴税や、余計な金利の操作、フィアットマネーの余計な供給を行わないと言う意味において、小さな政府という概念も生まれたんでしょう。
しかし「新自由主義」陣の同じワーディングは、違う結果をもたらす。

 フリードマンは主要な学説等読んだ事はありません。が、彼のやった事は新自由主義のレッセフェールで究極の自由主義経済だろうか。
金ドル兌換停止以後の説明として出たんでしょうが、マネタリストという部分で、もう違う。実体経済のバランスした兌換を人為的に弄る事を前提にしていながらレッセフェールは無いだろうと思う。

かれは若かりし頃理想主義者であった訳ですが、資本家が近づいて来て、彼は学者的欲望のまま、ショック・ドクトリンを進めるアメリカの財界と一体になって、DisasterやWarの洗脳的なパワーボムで、最初から前提を取り除いた跡地に送り込まれて実験をして来た。
そのまま原始共産制に移行すれば、ポルポトや文革と同じような、それまでの経済のバランスや知恵、ノウハウを一切消して洗脳した跡地。

そして小さな政府、民営化で、公共サービスや国有企業を全部売る。買う人はいないから欧米マルチナショナル企業群が、受託したり、特価で買い取って行く。
景気や経済はその場には循環せず、通貨価値は下落、格差と貧困が固定化し、改善しない。人はドル=アメリカの家畜として生きる。

ニクソンが兌換をヤメてからは、ドル摺り放題になった。そうすると貨幣価値は無い。だから重要資源の決済通貨、基軸通貨とすべく、毎年50兆円の軍事費をかけて価値を保つ。
国債乱発して軍事ガバナンスの効いている国に有無を言わせず買わせて、借金漬けにする。そうしてFRB摺り放題の特権を活用して来た。
行き場所が無くなって、ムリに詰め込んだ借財が先日ユーロやルーブルに仕掛けられて破綻して、自由経済もどこへやら。
クルーグマンが出て来て、バーナンキがホントに価値が下がるままに摺りまくって、大手の破綻寸前の金融や、企業に突っ込んでいる。

つまり、ドル体制護持のショック装置の軍事と両輪で、世界中の実物経済を裏打ちとして主奪する為に便利だったから、フリードマンの新自由主義をサポートして来た訳で、前提その物に大嘘が隠れている。レッセフェールではない、圧倒的に強い単独の意志が介入している。社会でも心理でも良く有るのですが、経済でも、特権的工学ツールをポジティブに使って弄ってしまう。

脱線すると、こういう意志を、コンスピラシー、共同謀議と本来いう。
「陰謀論だー」での、宇宙人さんや、ユダヤ会議さんと同じにしてスピンされる。ナオミさんが、冒頭引用したあとがきで、ワザワザ「コンスピラシー」と書いたのもそう言った事に悩まされているので、皮肉で書いたんでしょう。

そしてバカなんで今気付いたのですが、恐るべき事に、実最価値の交換の基礎となる実物、これはどこで価格が決まるかと言えば、まさにシカゴにあるマーカンタイルの先物取引所だった。しかもフリードマン直系が会頭。
実物価格まで操作する2段構えのしつらえを整えている。

つまり、整理すると、
自由経済の前提で有る筈の兌換通貨は無い。

世界基軸通貨はあって、それは有る一国のみが刷り放題。

兌換価値が無いので、軍事的脅威で決済用として価値を保持し、各地でショックボリュームを上げて、対ドル為替を下落させ、民営化する事で借款に拍車をかけて、重要産業と資源を欧米企業群で奪う。

その実物価格さえもその一国のマーカンタイルで操作する2段構え。

グローバリズムの完成と供に、歴史の終わりとばかりにファンファーレ。

プチと画鋲刺されて恐慌。

そういう流れです。
日本の我々もやられた。

そうして振り返ると、うんざりする位、様々な経済用語が日々、使われますが、むしろ、幻惑する為に悪用されているか、判らず使っている方が多いんじゃないか。
特に翻訳語ばかりの日本において、前提と主体と目的語の基礎知識が無ければ殆どアホダラ経みたいな物。

どんな状況で誰の何に対して、どういう効果がある、小さな政府、改革、民営化、規制緩和なのか、今謀略に陥れられずに無事でいる人の中で、誰かあの時代にマトモに言っていた人がいたでしょうか。謝罪した人は中谷氏くらい。

植草氏とケインズは良く重ねられますが、再配分の比率の効率化と国民の減税が核。それは自立と相互扶助の動きを促し、景気浮揚にも少しなる。
しかし、植草は「ケインズ」だよね?じゃ「公共事業」バンバンやるんだよな、「バラマキ」とかわらないじゃん、というくらい頭の悪いやり取りは横行。
「公共事業」を行わないと、「景気」は浮揚しないと言ったりもしてそれが「税金」だとは忘れていたりする。それ以前に、本当に”必要な”「公共事業」の工事を上からリストアップ出来るのか。

「財源」はと問いつつ、年金、税収で130兆くらい毎年集めて、且つ国民から700兆近く借金して、それは「財源」ではないのかと思わない。新たな「財源」なぞ、なんで考える必要があるのか考えても見ない。

そこで改めて規制緩和、小さい政府と民営化、改革と、言い出す人がいて、おっと思って見ると小泉竹中一派だったりして(笑

という冗談はおいて、
宗主国(というと怒る人がいますが)のアメリカがもう弱って来た。
我々はそろそろ、もう少し自ら考えて動こうとしなければいけない時期に来ている。

何年も見ないようにして来たり、考えない様にして来た事を、改めて直面しないといけない事は中々骨の折れる事です。

しかし、いままでのテレビ討論の様な、唱名主義的な意味の無い議論を見聞きし、言いたいだけのカタルシスの様な言説から脱して、これからは、全てのそういった言葉には、主語、目的語、前提をつけて、「その場に生きて自立する自分」の目から考えてみる。そしてそれが正しいか必要か考えてみる。

自分の目、見識が無いと、誰かの意図で有る事も判りません。
言うと偉くなった様な気がして、言ってるアホは無視していいんですが、その「お題目」を唱えた人は100%何かの意志や理由に基づいて言ってる。だからそれを自分の目で考えてみる事が必要です。そうして動いてみる。

その場に生きる我々が、その場の記憶を背負って、新たに動いた軌跡が、借り物でないノウハウや、指針となります。だからは先ずはそこから。

そして困った時には、自立した人同士の「相互扶助」。まあいつぞやの「友愛」でもいい。
そうすれば、我々なんとかやって行けるのではないかと思います。

明日はどうなりますかね。

この流れのオマケで、明日は5月頃に書いた気楽で緩い文でも転載しようと思います。

The Shock Doctrine 関連の転載 9 [The Shock Doctrine]

2009年04月30日00:55
「The Shock Doctrine とりあえずの最終章。」
の転載です。

稚拙なblogにおつきあい頂き、本当に有り難うございます。

SNSで、日常の話の合間に、ちょぼちょぼこう言った事を書いていたのですが、バラバラに書いた物を整理して何処かに置いておこうと思いました。

過去記事のストックが無くなって以降の事はあまり考えてないのですが、
今後も、纏まって書いた物上げて行くかも知れませんので、
よろしかったらご覧下さい。

The Shock Doctrine あらすじとしては最後の回となります。
◇◇◇
(転載始め)

そしてスペイン。

ここもテロが有りました。通勤電車でテロがあって、200人以上亡くなった。
バスクの独立運動の連中が首謀者とされて、時の首相は、バスクを攻めて、ナショナリスティックな独裁政権色を強くした。
しかしながら、フランコ政権時の痛い記憶は、ショックによっては消えなかった。 人々は平静を即座に取り戻し、ファシズム的な方向は民衆に忌避されて、次期選挙でアズナールは敗北しました。

津波でも、速い復興に成功した地域がある。タイです。
政情に利用されて、それこそ被災者が腎臓を売るような状況に陥ったインド、スリランカ等と違って、たった数ヶ月で復興したのです。

住民がやった事は、まず、キャンプのプランを断った事。
沿岸に住んでいた、シージプシー含む生き残った漁民達は、結束して土地の明け渡しを断って、その足で自分の土地に行き杭を打った。

家族を失っても自分の人生はこの土地に賭けると。ジャーナリストが邪魔で、政府側は住民を追い払う事が出来ない。
結局交渉の結果、一部を提供し、学校、博物館、マーケット等とし、ほぼ先祖の土地を取り戻した。

その後、多くの建築の学生がボランティアに参加し、コントラクターのプレハブでなく、文化や土地に合った、洗練された住居があっと言う間に再建された。
政府も後には「人々が自分らの手で復興した」と声明し、各地から、その復興の実際をリサーチに人がドンドンやって来る。

そしてアメリカからは、あのカトリーナの被災者達が学びにやってくるのです。
そして「我々は待 ち過ぎた。自分らで取り戻すのだ」と、決意も新たに、ブッシュの reinvadingに反対し、活動を始めてゆく。


 黙示録的に更地化し、頭だけで夢想した理想国家を運営しようとする、何時でも離脱出来るシカゴ信者達、
それに対するローカルからの復興の動きは、本質的に、そこから逃げられない自分達自身の混乱の中からどう立ち上がるか、すでに歴史、文化、記憶のよすがが破壊されて、なお生きねばいけない所から始まる。

スレート板の様にまっさらにされた場所からのフロムスクラッチでなく、回りをどっさり覆っている記憶や歴史の破片からのフロムスクラップからスタートする。

Disaster capital complexが、電気ショックのボリュームを上げ、経済を突き落とし、増え行く抵抗勢力を吹き飛ばすべくと言った事をいくら続けても、現地からの復興の動きという物は、ファンダメンタルな議論、対立の構図から一歩抜け出て、その先を指し示す。

自分たちが生きるその場において、今直面している必要性のみに徹底的に集中し、生きるコミュニティに根ざし、自からそこに残っているものを手に取り、直し、補強し、より良く、同等にして行く。そうした中で、人々は次のショックが来ても復元できる力を、自らに組み込んでいる。

最後はそんな感じの文で、Naomi Klineは、こうしたCommunal recoveryを、 Disaster capital complexのアンチテーゼとして提示し、この長いShock doctrineをあぶり出す、彼女の試みを終えます。


いやーちょっとさすがに疲れた(笑

 馬鹿かと思いますが、英語力も無いのに、重要な本だと思ったので、読む人が一人でもいればと思って、この所休み潰して書いて載せました。
自分が思った事や、このフリードマンについてなどは、あとがきとして、また別に書きます。もし読んでいる人がいるとすれば、どう思ったでしょうか。

今となっては、イタリアが今回の大地震で、アメリカのニュータウン建設を断ったというのは、英断だと思いますよね。一方メキシコは今危険な状況にあると思うので、 政権はどうなっているのか気になる。
南米最大のブラジルの車市場が販売回復しているというニュースも、何をか言わんやです。

 
 そして我々を振り返ると何が見えるか。

湯浅さん、雨宮さんが頑張っていますが、「反貧困」、運動ってのは、それこそ世界中で言われている、anti-povertyの直訳、耳タコワードなんですよね。組織出来て、あのコンセプトで打ち出したのは、ベースモデルがあった。
仕事があっても民営化の外資の下請けで、基本の公共サービスも受けられない状況は、世界中で起きた。U2のボノとジェフリー・サックスはいいのか悪いのかしりませんが、絡んでいたあたりがの主旨も、良く今となって判って来る。

お隣韓国は10年前に為替振り回されてIMFにやられ、失業率は跳ね上がり外資に買われまくり、一家心中だらけの時期があった。いまでも若者は就職できず、雇用は派遣ばかり。一回派遣に入ると正社員にはなれない。平均給与10万円の所謂”88万ウオン世代”と言う奴です。かれらからすれば、日本で動き出たなあと見ている筈。金大中時代が、小泉竹中時代に当たるようで、売り渡してしまったんです。その後はナショナリズムが強くなった。中国は本文中に結構書きました。

この本は中国、韓国では訳されているんだろうか。

我々は、(笑)でなく、本当に笑えませんか。世界的な事例を何十も見ちゃった後の我々としては。

らいおんはーとでしたっけ。その時代。
民営化、改革、痛みに耐えろと、結果マルチナショナル、グローバル企業、金融が儲かっただけだったのは、世界の皆さんと同じ事であった。

そして、どの例も必ず現地派遣傀儡ボーイズがいましたが、留学して帰って来た奴は誰だったか”竹なんとか”か。邪魔で葬られたのは誰だったでしょうか。まあ散々書いてるからいいか。日本はそれでも金があるけど、アメ債で保証人になってしまってる。これからの崩壊に地獄までつき合う事になるのかな。

民営化の言いなり政権のあと、経済が地に落ち、嫌韓、嫌中ムーブメントと相俟って、小泉氏後半から、阿倍氏の時代まさに揺り戻しで定石通りのナショナリズムが来ましたね。

福田はよくぶらかしを使っていましたが、軟弱だと言われて、また揺り戻し保守政権です。制度設計、プログラムを作らず、死に体でバラまいて人気とろうとする。
これからの外交変化、社会政策的な方向を担う筈の民主党の党首を、警察、検察力で、法的手落ちも無い中で、各マスコミに罪人の様に書かせ不当に貶めて、抵抗していると。

そんなステイタスだなあと。

流れをみれば、近隣地域とは協力すべき。
各国融通し合って、自分らの地域を守る事が肝要。
こういう事を書くといわゆるネトウヨに叩かれますが、これは相互扶助という意味合いであって、ソブリンを互いに侵す様な事は当然ダメです。一体ではなく、外交でという事。

中国、半島に過剰に反応する事は、本で見て来た通り、復興の手前で良くある事なのですが、そういう人が全く忘れているのは、彼等が懸念している意味でアメリカに対して骨の髄まで食い込まれているという事です。

むしろ、アメリカが逆にいくつかのアジア宗教団体や、在日のアジア団体を煽りに活用しているくらい。何十年もアメリカの属国でいた為に、それが当たり前になって判らなくなっているのだろうと思います。

そこまで含めて、やはり保守、親米保守でないとダメだと思う人々はまだ判りますが、そういう事さえも見ずに、夜郎自大にアジアの盟主がとか、日本は中国に負けてしまうとか、今だ言ってるような人はダメな訳です。

そして世の中は大恐慌に入って、これからまた、もっとヒドくなる可能性もある。
一昨日でしたか、泥酔中川氏の横で必死に答弁していた、日銀の白川さんが、景気が戻りつつあるかとマスメディアに出だした時に、講演で良い事を言った。ホントの景気の浮揚でないものに、躍らされない様にと。
フリードマンはまさにマネタリストの長でもあると言う事でしたが、G20で世界的に金融操作の時代は終わり、財政政策一本、みんな植草さんになった(笑
(減税や再配分機能の正確な見直しでなく、増税とジャブジャブの恣意的な企業へのバラマキに向いて行っているので、厳密には植草さんと違いますが08・27)

副島さんが書いていますが、ノーベル賞のクルーグマンは、インフレ目標を定めた量的緩和を日銀に求め、のろのろ福田式というか、日銀がやらなかったので、バーナンキと供に、徹底的に愚昧な連中とバカにしてきた。で、先日、アメリカの自分らもそうなってしまい、日本に謝罪した。

昨年4月に書きましたが、そういえば日銀総裁決定時もすったもんだありましたね。
これ以上空席が続いては状況は国として問題だと民主党を批判し、アメリカ並みに速い対応を行う総裁が望まれるとか、マスコミは民主ネガに煽った。白川さんを日銀総裁につけ、 アメリカ、外資の手下の財務省出身者を外すべく踏ん張ったのは小沢でした。
白川さんは実は正にフリードマンのシカゴ大なんですが、それは竹中がハーバードのケインズベースでありながら、新自由主義の走狗だった事もあるわけで、問題はどう使うか、振舞うかです。

日銀生え抜きで日銀理事、教授という経歴なんですね。それが2月に書いた様に、中川泥酔状態を挟んで、無視の篠原財務官、頑張る白川さんという絵面になる。白川さんは状況を良く見て、下手に弄らない。

そんな事も今や良く判ってしまう。
だからこの本はホントに速く出した方がいいと、何度書いたか。
G20の行方や、小泉の沈没からすると、そろそろ出るのかもしれませんね。版権持ってる版元さんは塩漬けにしたら、マジで怒りますよ。

ああつかれた。
取り合えずNaomiさんの瞳と俺のあまりにチープな英語力に乾杯(笑
様々な事を考えたので、書きたいんですが、詰め過ぎで体調も悪く、ちょっと暫く書き物お休みするかもしれません。

何分ヒマでもない仕事の合間にしこしこ書いた物、間違いその他沢山あると思いますので、ご容赦ください。

ここまで読んで頂いた人がいれば、ホントに有り難うと言いたいです。
では。

◇◇◇
(転載終わり)

ちょっと息切れ気味に終えてしまいましたので、次回その後思った事、解題めいた事を載せたい。
それで一旦おしまいにしようと思います。

The Shock Doctrine 関連の転載8 [The Shock Doctrine]

2009年04月29日21:59
「The Shock Doctrine ラストスパート2。」
の転載です。
 
 インフル禍、M6の地震、麻薬戦争。
これ日本ではなく、冒頭に書いたメキシコの事。4月あたりのメキシコは、ご存知の通り、今に至るインフル含め大変な騒ぎだった。

当時のメキシコの状況を当時調べて、3本ものにしてあるのでいずれ転載しますが、武装麻薬組織の効率的な弱体化につながる、小口麻薬の合法化の決議はあったけど、選挙があった訳ではない。
しかし政治状況としては、似た様な状況があった。

前回のナオミ本のあらすじの様に、少し前の政権交代後、メキシコは脱米経済圏側に入ってアメリカと距離をおいた。オバマ就任と共に、麻薬の件で働きかけ、南米サミットに呼んだのがメキシコで、そこに民主のオバマが訪ね、インフルドカーン!という流れ。

状況的に相似した所がありますね。
メキシコを調べた際に実感したんですが、大麻は家庭菜園て感じですが、麻薬、覚醒剤は、言葉を選ばないと行けませんが、大きな各方面の了解がなければとても製造販売出来る訳がない金額のビジネスです。
概観すると国の政権が変わる際には、汚職や裏金含め、必ずいろいろあります。政治はやはり暴力装置と繋がっているので、その構成が変われば大騒ぎだし、ネガキャンの情報戦でリークもある。だから出るんでしょう。

地震も良く似た様なタイミングで起きます。
イランと核問題で、IAEA議定書に批准を迫られた時期と大地震、オリンピックで世界中の注目が集まる際の、チベットとウイグル、モンゴルの3大紛争と四川の大地震。
東海の地震と台風が重なってきたばかりですが、そう考えると政権交代前夜の我々は少し怖いですね。兆候も何やらあるようです。


◇◇◇
(転載はじめ)
メキシコの状況変ですね。

インフルエンザと、地震。まさにShock doctrine の格好の餌食。あらすじを載せている最中に、ちょっとタイムリー過ぎ。

中田さんによれば、テキサスとメキシコが、国境挟んで麻薬に関して厳しく対立している最中という状況があるらしい。テキサスの親玉はブッシュ一族ですね。一方オバマ側とメキシコは近いという、軸もあるようです。
オバマの時に紹介した、猿谷さんの黒人解放史(これが、あれから数ヶ月経って、再販されたんですよ!)にもあった、東部と南部の対立がハッキリして来ている。南北戦争時代の構図が再燃といった感もあるようです。

騒ぎはオバマがメキシコに居てすぐ後、一方キッシンジャー、D.ロックフェラー、ジョセフ・ナイとか、東部陣営のお歴々が、皆三極委員会で今日本に来てる。インフルエンザと言えば、ネオコンは防疫を民営化して、彼らが握っている訳ですから重要なカードの一つ。舛添も、麻生も、それ買わされるのに、金に糸目は付けないなんて言ってますね。お前の金じゃねえぞ。

 さて、The Shock doctrineのあらすじ的には最後の回。

ショックの防衛策、コントロールされない様にアメリカの影響力を廃し、市場価格に国を破壊されない様、バーターベースの貿易圏を作り、そして最後IMFに肘鉄食らわした。
その後南アフリカでも、下層民達がシカゴの受け皿になっちゃってるANCを無視し始める。中国はやはり情報統制が厳しいから、あまり派手には報道されませんが、公式な資料で年8千件のデモ、反対運動が起きる。おおよそ見積もると、参加者は4百万人に登る。国ですねもう。

この辺、中国のオリンピック前に良く書きました。
チベット、ウイグル、モンゴル自治区の話、そして地震もあった。これを抑える為に、ほんとは酔っぱらうと日本語で黒田節を歌ってしまうという噂のある江沢民が、「愛国」戦略を取った。中国中に、いかにもエグイ抗日記念館を作って、官主導で観光バスで連れて来て半日デモを煽って、そちらの報道でマスコミを満たし、視点を変えさせようとしたのだと今判ります。

本の冒頭は、洗脳の話しだった事は、覚えていると思いますが、グアンタナモや、アグレイブのみならず、拷問、尋問のエキスパート達の仕事の要諦として、心と体を完全隔離するという事がある。そして、混乱、恐怖、一切の説明をしない、そういう事によって人の心を壊す。記憶を除去して真っ白に洗脳する。

イラクでも、抵抗せず撤退するイラク軍を皆殺しにした後から、本当のショック療法が始まった。
雨の様に無差別に爆撃、攻撃した後、夜に電気や電話網ライフライン一切断って、パタッと止める。
なんの情報も無い中を、たまにいきなり軍用車の走行音と、発砲音、悲鳴だけが聞こえ、町中が恐怖におびえる。夜が明け、いきなりいつ止むとも知れない雨の様な砲撃、爆撃。そしてまた声を立てられないような夜が来る。一方で心理的なよすがとなっている歴史や宗教的な物を徹底的に破壊する。

これは、髪もヒゲも剃られ、裸で立つ事が出来ない窓の無い、明かりも無い狭い箱に閉じ込められ、突然外にマスクと拘束衣かぶされてだされたと思ったら、性器に電極をつながれて電気ショックを与えられ、水に漬けられ、またいきなり独房に戻され、その間一切会話も何もない、これが、不定期にいつまでも続いて、心が壊れるのと一緒です。一切状況が判らず、突然の苦痛が無作為に与えられる。それから自分を守ろうとして、人は自壊してしまう。

昔テレビで見た、なにも喋らずえへらえへら無邪気に笑って首も座らない孤児の子供達を思い出す。本当に偉い事に日本人の坊さんのボランティアが面倒をみていたのですが、これは、砲火の下で、心が壊れてしまったのです。

実際の大型機関銃、迫撃砲、戦車の砲撃、ナパームの爆撃を見た事があります。
実際の戦場の音というのは、我々が映画で見ているような、シアターで見て聞いているようなソフトな物ではない。大型の機関銃の発射音だけで、神経に障る耳が麻痺するような高い金属音がします。そこには、自衛隊や米軍の家族が沢山来ていて、最初の戦車の一発で、会場の全部の赤ん坊が泣き出し、ティッシュ等を耳に詰めてやって下さいとアナウンスがあった。

弾着地点はそんな物ではない。迫撃砲が同時弾着する当りは遥か遠くなのですが、ドパドパッと地面が吹き飛び空気が揺れる。一発だったら気絶も出来るでしょう。死ねれば楽です。
瓦礫の中で、家族の死体が転がっている中で、あれが延々と続く。へビー級のボクサーに前後左右から殴られ続け倒れられないような、神経を直接叩かれるような、それこそ電気ショックの状況に、あの年端も行かぬ子供達はおかれて、神経が耐えられずに、外界を遮断してしまった。
思い出しただけで涙が出る。

戻ると、一番かれらが業務上心がけている事は、いかなるコミュニケーションも採らせない、それどころか、いかなるナラティブな事もさせないと言う事です。
同じ運命にある人の繋がりが出きた瞬間、人々は結束し、耐えます。
互いを見る事で、自分が誰であったか思い出す。そして情報が交換されてこれから何があるか予想できたり、状況を把握されてしまうと、全ての拷問ツールが使えなくなる。説明のされない恐怖や混乱では無くなってしまう。拷問のショックが効かなくなってしまうのです。だから兎に角知るべきです。我々も。

そして、2006年、イスラエルに猛爆を受けたレバノン。
イラク戦争に反対し解雇された、天木さんが大使だった国です。当時最大の借款を受けていた上に、さらに900億円は復興に必要だという話しになった。
07年1月にパリに13カ国が集まって、復興策を話合う。
当然の流れで、通信等民営化、石油価格up,パブリックサービスカットダウンのシカゴ勝利の方程式ですが、ライスも民主国家であるならば、施策を受け入れなければならないと宣い伝える。プロパガンダする。

これに、散々ショックドクトリンに従いやられて来たレバノンの人々は、結束して反対した。
政党が沢山出来て、その一つがヒズボラです。別にテロ組織じゃない。社民党みたいなもんです。住民コストを上げるばかりのボストワー・ディザスター・キャピタリズムに反対だと、デモが起き、座り込みが起こった。

以前の15年戦争で、弾痕だらけの瓦礫の街になる訳ですが、暗殺された資本家の前首相が、シンガポールにしようと、街の中心を全部ブルドーザーでならし、高級マリーナにホテル、バージンメガになんとかバックス(笑)とやった。
道が良くなって喜んだ人々が、自分の昔の家の前に行くと、高級ホテルになっている。全部勝手に外資に売られてしまった訳です。しかもさんざ書いて来た様に、その復興費用は、そう、借款として税金で国民が払う。

それを皆は当然覚えている訳です。
こっちはスタバでサンドイッチでも食ったら1週間文無しだと。

そんな中、ヒズボラは結構偉くて、弾痕だらけ、電気も無い貧民街のど真ん中に本部をおいて、そうじ、ゴミ収集、警備なんて始めて、人々が集まった。
あの空爆で破壊された世帯に$12000ずつ配った。誇らしげに配っているニュースが懐かしいですね。これカトリーナで、被災世帯に政府のFEMAが配った額の6倍なんです。
そして秀逸なのが、復興を自分らで初めてしまった。海外のNGOなんざいらねえと。
ローカルの建設屋に、スクラップの金属類全部もってっていいというバーターで依頼する。1500人の技術者とボランティアで、いきなり復興が立ち上がる。借金漬で闇金に沈められたような様相の、イラクと天と地の差が生じる。イランのサポートを頼んでいますが、それでも基本はチャリティ、相互扶助の精神でやっている。
海外の再建チームと独裁政権の官僚のオルタナティブな復興モデルです。

ここで一旦切ります。最終章、後半へ。
日を跨いでアップします。あと一息。

◇◇◇
(転載終わり)

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